ベルセバ愛

ライト・アバウト・ラヴ~愛の手紙~

ライト・アバウト・ラヴ~愛の手紙~



これ、どう思う!?やっぱりちょっとハイファイすぎるよね…ってのが第一印象。前作“Life Pursuit”といい、前々作“Dear Catastrophe Waitress”といい、曲は相変わらず良いんだからさぁ。ハイテク機材使っちゃダメだよ。デジカメで撮っちゃいけない風景があるように、音がクリアなベルセバってなんだか嘘っぽい。っと原理主義者は言う。かくいう私も(ベルセバに関しては)原理主義者ですが、やっぱこの出音は初期からのファンには違和感があるのでは!?
いつだったか、ベルセバアメリカのどこぞでレコーディングするとか言い出した時期があって、その頃からこういう作り込まれた音になっちゃったっていう。もっとこう、素人が鳴らしたっぽい感触が良かったわけでしょ、ベルセバって。具体的にいうと、ドラムとベース、前に出すぎなんデス。これをもうちょっと控えめなミックスにするだけでだいぶ雰囲気が変わると思うのですが。そしてもうひとつ。1曲の中に楽器を詰め込みすぎかと。ベルセバはメンバーが沢山いてオーケストラ的なムードが魅力なんじゃないの!?っと突っ込まれそうですが、彼らのレパートリー、しかも名曲・名演といわれている楽曲群の場合、その曲の中心を担う楽器が1つあって、あくまでその楽器を中心としたアンサンブルの中で効果的に他の楽器が登場するパターンが多いのです。例えば“The Model-僕たちの後悔-”でいうチェンバロ、“Seeing Other People”のピアノ、“Dirty Dream Number Two”だったらストリングス軍団だとか。まぁ全部が全部この公式に当てはまるわけではないし、ほとんどの曲には当たり前にギター・ベース・ドラムの基本楽器は登場します。でも、もっと音色にフォーカスしてたというか、曲のキャラが立ってたというか…。結局は頭でっかちなエゴではあるんだけども。
あと、NORAH JONESいらねー。なんだか仲良くなったらしく、ゲスト・ボーカルで参加してるけど、ベルセバにあの声は似合わないよ。ノラの歌を否定するんじゃなくて、アクリル絵の具で描いたキャンパスの中に一ヶ所だけ油絵の具がポチョンと落ちているようで不自然なのです。たぶん、ベルセバが好きでノラも好きってリスナーはけっこういると思うけど、それが混ざっちゃうともう大変。あまり嬉しくないトラックになっちゃったよね。
こんなレビューを読んで、さぁベルセバの新作聴こう、っと思ってくれる人はいるのかしら。たぶんいないと思うし、この新作が好きで好きでもう堪らんっと思っている人にしてみればムカっ腹の立つような文章だとも思う。けど、私だってベルセバのファンだ。ファンだからこそ言いたいというか、ファンだから無茶苦茶いっても許されると勝手に思っているというか。つまりこれは、私の“ベルセバ愛の手紙”なのだよ。
全曲試聴はコチラ
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