秋の夜長なれど…。

すっかり秋ですが、すでに来年の夏に向けて色々夢想したくなるような2組のバンドを(強引に)紹介しようかと。だって、今年の秋はあまりいい新譜がないのだ。アントニーもスフィアンも期待したほどじゃなかったし(それでもアントニービョークのデュエットにはガクブルだったけど)、あとはDEERHUNTER(これはまた今度レビューしようかな)がやっぱ凄かったくらいで、あとはあんましピンとこないものばかり……。それならば、アルバム・デビュー前の新人でも漁ってみようかというのが自然な流れ。しかも今回は結構自信がある。

その1:TENNIS
最近のバンドってどうも狙って検索されにくいバンド名を付けていると思うようなのが多いよね。THE DRUMSとか、このTENNISとか。で、このTENNISって人達、夫婦なの!?アメリカ人!?白人男女2人組ってことぐらいしか知らないんですけど、それ以上の情報をがんばって探したって、やっぱこの名前…庭球のサイトばかりでめんどくさい。それよりもこの“Marathon”って曲。これだけ聴いてりゃこのバンドの良さは充分伝わるっしょ。この10年間のインディ音楽が忘れていたようなレトロな感じな歌声と、トレンドであるビーチ的演出を盛り込んだ音色の数々。ヤヴァイ。アルバム全篇このテンションで押されたらさすがにキツいので、もう少し他の感触を持った楽曲も演ってほしいのだが、ツカミのシングルとしては最強だと思う。

その2:SUMMER CHAMP
こっちはEPが国内盤でも出ているので知っている人も多いでしょう。<もしもしレーベル>が現在トップ・プライオリティで売り込んでいるSUMMER CHAMPです。グローファイ/チルウェーブへのUKからの回答なぁ〜んて評されかたしてますが、このノスタルジーはむしろベルセバに近いかと思っているしだいでして、特に“Round The Moon”って曲の古い映画かなんかの映像を使いまわしたPVが最高に泣ける代物に仕上がっております。これ、設定そのままで日本人で撮り直したらかなりダサイんだろうなぁ。暴走族の抗争みたいな話だし。2010年にしか発明できない80'sというか、ダサさとアマさのギリギリの境界線を綱渡りする感じがとても魅力的。

ヤング

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