なんつったってビートルズ

たまにはマジメな話。こないだ友人のブログでTHE BEATLES音源のiTunes解禁に関する日記があったのだが、その解禁された音源、やっぱり結構売れてるらしい。まさか今回の解禁をきっかけに、iPodやらiPhoneやらを購入してデジタルミュージック・ライフをスタートさせたおじ様はおらんだろうが、「いや、いるんじゃねぇの!?」っと議論できてしまいそうなTHE BEATLESの影響力ってやっぱ凄い。そして、この件で最も得をするのは、ポール・マッカートニーでもなくヨーコ・オノでもなく、ジョージの遺族やリンゴでもない。ましてやリスナーでもない。iTunesだ。
悲願だったのだろう。「洋楽」という日本人にだけ通用するジャンル分けで語るならば、そのAtoZは間違いなく「B」から始まるのだ。極限まで在庫を削減したCDショップのカタログ・コーナーならばきっと、「B」からスタートするだろう。逆に言うと、まともな品揃えをめざすなら、THE BEATLESは絶対に外せないし、つまりこれまでのiTunes Storeは「まともな店」ではなかったということになる。THE BEATLESによって店のランクは決まるのだ。
そしてこの解禁劇を境に、より多くのアーティストが自身の楽曲のiTunes解禁を始めるだろう。それは、THE BEATLESがある「まともな店」なら置いてもいいといったごく単純な理由で。現状、大物アーティストの楽曲全てがiTunesに解禁されているわけではない。AC/DCTHE SMITHSもここでは買えないのだ。これについてはアーティスト各自が様々なコメントをしているが、そのほとんどは価格の妥当性や曲単位での販売方法に関するもので、彼らがこれまでに売ってきた廉価盤やベスト盤の前ではちょっと弱い論拠になる。まぁ本人がiTunesで売りたくないって言うんなら好きにすればいいんだけども。で、こうした一見カッコイイ論拠ってのは、ロック界に限って言えば、THE BEATLESに弱かったりもする。「ビートルズと同じリストに自分が並べるなんて最高だぜ」っとか言っちゃって、ね。そうしてiTunes加盟アーティストが増殖するってわけ。iTunesの価値がますます上がるってわけ。別にTHE BEATLESがダウンロードされなくたって、そこにあるだけで充分すぎる役割を担ってくれるってわけ。
こうなるとね、マジでキツいわけですよ。同業者は。こっちはリスクを承知で在庫抱えてんのに向こうはハード・ディスクですからね。って、なんだかただのぼやきになってきたので、またこんど。